アメリカ（連邦法、及び州法）には、通称　ADA法　と呼ばれる「米国障害者差別禁止法」または、「障害をもつアメリカ国民法」があります。一般の人に対するサービスを提供している会社、歯医者などを含めた専門サービス業、特にレストランなどは、最新の注意を払う必要があります。

この法律では、駐車場のサイン、色塗り、線の幅、入口のサイズ、段差、顧客用トイレ、洗面所などの、位置やサイズ、高さなどを細かに規定しています。それに反した場合は、１つの違反に対して、カリフォルニア州の場合、＄４０００、さらに原告の弁護士費用を支払う法律になっています。 本来であれば、この法律は、身体障害者が、障害の無い人と同じように、一般のビジネスやサービスを利用できるように、差別をなくす為の法律なのですが、それを悪用する障害者や弁護士がいるのです。

彼らの狙いは、提訴して、示談金を取ることです。ほとんど場合、障害者は、そのビジネスに出向くことなく、第３者を使って、違反を見つけ、弁護士が訴え、示談金を山分けするという仕組みです。彼らは、差別を受けたわけでもなく、サービスを拒まれたわけでもありません。何の用事もない何百キロも離れたビジネスをも提訴してきます。彼らは、それを弁護するにも、何万ドルも弁護士費用にかかることを知って、大体＄１万～＄２万＋で、示談を持ち掛け、最終的には示談をするわけです。

カリフォルニア州には、この類の原告・身体障害者が数十人いると言われ、それを代理する弁護士もほぼ決まっています。示談しても、違反が改善されない限り、また別の原告・身体障碍者が訴えてきます。そのような障害者を　嫌味で「Wheel of Fortune」=運命の車輪（金を生む車輪）と言う人もいます。

当然、こんな悪用を打破するために、州議会は、数年前に法改正しましたが、まだ訴訟は、全く鎮まることはありません。１人の原告が、年に２０～３０の訴訟をすることも珍しくありません。それが彼らの生活と生業になっていうからです。

当事務所では、被告の代理をする弁護士たちと連絡をとり、訴訟を取り下げさせた例もあります。示談をするにしても、出来るだけ少ない金額で早めに示談をし、損害額を低くし、さらに、ADAの専門家と連絡をとり、違反を改正し、第２、第３の訴訟を阻止できるようにアドバイスしています。

ADA法は、連邦法と州法の両方あり、通常は、両方の違反で、提訴してきます。どちらの裁判所に提訴されたかで、抗弁書類・提出期限となる日にちも違ってきます。もし提訴されたなら、早急にご連絡ください。